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製造系工場サラリーマンによるサラリーマンブログ(毎日時差なし定時帰りを目指して)

製造系企業の工場配属になった時の考え方の件

 

お疲れ様です。

 

製造リーマンです。4月となり2020年度のシーズンが始まりました。4月のビックイベントといえば「新入社員」の入社そして配属です。製造リーマンも数多く新入社員のトレーナーを務めてきましたが、製造系企業の工場で生き延びてて成果を上げるためにはコツがあります。

今回は、製造リーマン10年以上勤め且つ実際にトレーナーとして実践してきたおすすめする考え方を記事にしていきます。

新入社員の方やトレーナーに抜擢された方の参考になれば幸いです。

 

 

工場での業務内容

【オペレーター業務】

基本的に工場配属となった方は商品を作る「生産ライン」に配置されます。一般的に名の知れた企業規模となると、1つの工場の中に複数の職場が存在し、1つ1つの職場内で複数の生産ライン抱えています。製造リーマンが勤めている工場でも5つ以上の職場があり、生産ラインは数十ラインあります。

新入社員の場合、初めから複数ラインの訓練を行うことはないため、いずれかのラインに配置されます。

配置された後は、「ルーティーンワーク」を完璧に覚えるまでひたすら訓練です。

基本的な業務内容としては、「機械操作」と「品質確認(定時検査)」となります。

 

【簡易な管理業務】

 製造現場は単純に機械を廻しているだけでは成り立ちません。「安全」や「品質」「コスト」や「資材管理」などなど、1つの製品を作るためには非常に多くの業務が複雑に絡んでいます。

こうした管理項目を職場ごとやラインごとに担当者を設けて、データ入力や会議などで情報の共有化を行い、トラブル時の対応などを行います。

 

【洗浄・清掃業務】

 

生産終了後には必ず機器本体と機器周辺の洗浄・清掃業務を行います。食品系や製薬系であれば消費者の体に入るものを生産しているため、とても重要な業務となります。自動洗浄が装備されているラインもあればマンパワーが必要となる部分もあり、生産ラインの特徴によって作業体制は異なります。

 

新入社員の心得

 

新入社員の場合、初めの数か月間は基本的な「ルーティン」の繰り返し単純な入力業務等が主な仕事となってきます。2か月もたてば機器の操作や製品検査の手順などは身につくため、多少「慣れ」が出てきます。

しかし、実際の製造現場の業務内容は奥が深く且つ多岐に渡るため、「ルーティン」を身に着けたからと言って一人前とはなりません。むしろやっと仕事を学ぶ土台ができたと考えるべきです。

 

オペレーター業務1つとっても生産中に発生するトラブルの対応やメンテナンス、品質確認や安全面の確保など学ぶことは尽きません。常に謙虚に先輩方の業務内容な対応を積極的に観察し「盗んでいく」ことが大切です。

ちなみに、「観察」は生産現場においてとても重要なスキルです。ここでいう「観察」とはただ単純に「見る」ことではなく、「見て、考えて、取り入れる」ことを指しています。先輩方の作業内容をみて「あの時はこうしてこうするとこうなるから、こうなるのか」と1つ1つの作業の意味や目的を考えながら「観察」する癖を身につけていきましょう。

 

 トレーナー(指導側)の心得

 

 多くの企業では新入社員の指導を担当するトレーナーや指導係が設けられています。役割としては直接仕事を教える役割のほかに悩みや不安などに対して具体的なアドバイスを求められる立場になります。

製造リーマンとしては、直接仕事を教えるのは必ずしもトレーナーでなくてはいけないとは考えていません。むしろ製造リーマンが過去にトレーナーを担当した際には、常に同一ラインに配置せず、あえて違う先輩社員と組ませるようにしていました。これには理由があり、まずトレーナーが常に仕事を教える立場にあると、考え方や仕事の仕方に偏りが出やすくなります。入社直後は一番「無」の状態であるので、いろいろな先輩社員から話を聞き、吸収するのに最適な時期です。この時期に狭い情報のみを信じ込むことは将来的な視野を狭めることになりかねません。

また、仕事内容として生産現場では安全面などできつく注意が必要な時もあります。こうした時が続いた場合、トレーナーとしか職場内で接点がない場合、逃げ場がなくなってしまいます。トレーナーはメンタル部分のケアが一番重要な業務となるため、対話を行う際に障害が発生しないように努める必要があります。

近年の新入社員は10年前の時代とは大きく異なり、入社時点で非常に広い視点や視野を持っていると感じています。これはSNSにより世界中の他者の考えや生活情報を日常的に観察しているため、価値観や世界観が広がっていることが大きいと考えています。年の近い先輩社員がトレーナーを担当する場合には価値観や考え方にギャップが生まれる懸念は低いですが、5年、10年離れるとそうはいきません。

こうした時に過去の概念を押し付けるのではなく、しっかりと「意味」と「目的」を合理的に伝えることが大切となります。論理的解釈ができない事柄に対する拒否反応や不信感は近年の新入社員の特徴です。逆に言えば、かっこよく説明できれば一気に信頼を得ることのできるチャンスでもあるため、トレーナー側も指導をする前にしっかりと仕事内容の再考と分解、解析を行っておきましょう。

 

 新入社員の方々へ

製造系企業に就職して工場などの生産現場に配属されると様々な世代や学歴の人たちが働いています。そこにはたくさんの価値観が存在しており、なかには受け入れがたい態度や指導方法を経験するかもしれません。※キレる上司などなど

 

 また、有名な大学などを卒業した学卒の方々は特に「ルーティン」を覚えたあとに「いつまでこんなことやるんだろう」と自分の仕事に対して不安を覚えるかもしれません。

 

しかし、生産現場での仕事内容は本当に奥が深く、1年や2年では「楽しさ」を感じられません。生産現場は「製造系企業のコア」です。もし、生産現場で品質に異常のある製品を作ってしまい、それを消費者が知らずに食べてしまって健康被害が出てしまえば企業の存続にかかわる大きな事件に発展します。また大きなトラブルにより多くの不良品が発生していまえば、たくさん不良品がでたからその時だけ値上げするなんてできないため、コストロスが発生し企業の財務に大きな影響を及ぼします。

 

生産現場は非常に閉塞的な空間であるため、目の前の製品にしか目が行きにくい環境かもしれません。しかし、日々の生産活動の先に、企業の今後や消費者の健康につながっているのは間違いありません。

 

大きな視野を持って、仕事の意味や目的を理解し、その先にある楽しさに気付けるようになると、なかなかやりがいのある仕事です。

 

最後までありがとうございました。